檀渓心理相談室の元スタッフだった人が遊びに来てくれた。臨床心理士としての経験年数はほぼ同じだが私よりも早くにスタッフになり、プレイセラピーのケースを多く担当していた人だ。
昔を知っている人に今の相談室を見てもらって「いいね」と言ってもらえるのはうれしい。相談室を引き継いでからやってきたこと、今の方向性が間違っていないと確認できたような感じにもなる。
檀渓心理相談室にある箱庭やプレイセラピーのためのおもちゃは長年使っているものが多い。古いといえば確かにそうだが、例えば箱庭用の人形は昔のものは粘土で作られていて、今販売されているプラスティックのものよりも素朴な味があり、箱庭には使いやすい。実際、自分で箱庭を作るときにもよく使う。粘土製の人形は今はもう販売されておらず、この相談室にあるものは大事な財産だ。今回来てくれた元スタッフが相談室でプレイセラピーをしていたのはおそらくもう15年以上前のことだが、置いてあるおもちゃはかつて彼女も使っていたものだ。中には「これは私が縫ったものだよ」という、彼女お手製の人形用の布団などもちゃんと現役で残っていて、改めてこの相談室の歴史を感じた。
ここにあるものすべてにそれぞれの歴史があり、そのひとつひとつに支えられて今の相談室が出来上がっている。それだけではない、ここに来ている人、これまでに来た人、今回遊びに来てくれた元スタッフのようにこの相談室に関りがあった人、この相談室を応援してくれる人、そしてこのエッセイを読んでくれている人も、中には会ったことがない人もたくさんいるだろうが、そういった多くの人々とのつながり、相互作用によって、この檀渓心理相談室は日々、更新されていっているように思う。
