· 

新しい家具

 面接室に新しい家具をひとつ入れました。家具、と言うにはちょっと小さすぎるかもしれません。相談室に来た人が荷物を置くためのものです。

 今までは別にひとつ椅子を用意して、そこに荷物や冬なら上着なども置いてもらっていました。しかし少し前から、椅子で代用するのでなく何かそれ専用のものを置きたいと思うようになりました。面接室のテーブルと椅子を新調したので、せっかくならこちらもそれに合わせたものをという気持ちになったのです。調べてみるとサイドワゴンという名称で、布やメッシュ素材でできたかごに脚をつけた荷物入れがあると分かりました。カフェなど飲食店などでよく見かけるものです。

 インターネットで見ていると様々な商品があります。かごの素材やサイズはいろいろあるのですが、どれもしっくりきません。多くの商品は使わない時には折りたたみできるようにと、コンパクトな設計になっていて、そこがどうも自分の求めているものと異なります。できたら木製のもの、安定感のあるしっかりしたものを置きたいと思いました。

 結局、今回も知人に頼んで作ってもらいました。今までにも玄関の靴箱とルーム3の引き出しを作ってもらっています。日曜大工が趣味で、自宅の家具も手作りし、ちょっとしたリフォームなども自分でやっている人で、プロではないけれど素人以上の腕前を持っています。今まで頼んだものも、商品として販売できるような精巧さはないかもしれませんが、こちらの希望を聞いてていねいに作ってくれました。買ったものではなく作ってもらったものだと言うと驚かれます。手作りの良さ、あたたかみを感じることができます。

 面接室においている箱庭のアイテムにも、ずいぶん昔に箱庭用に販売されていた手作りの人形があります。紙粘土で作られて着色され、その上にコーティング用の塗料も塗られています。おそらく受注生産だったのでしょう。今ではもう販売されていません。精巧さはありませんがていねいな作りで、やはり手作りならではのあたたかみ、味があります。箱庭のキットとして販売されていていろいろなバリエーションがあるプラスティック製の人形も置いていますが、この紙粘土の人形もよく使われます。

 手作りの家具は洗練されたセンスの良い商品とは異なりますが、オリジナリティがあります。ひとりひとりが自分ならではの行き方をつくろうとしている、こういった相談室には相応しいもののように思います。これから長く使っていくつもりです。

 

〈次へ  前へ〉