やっと相談室の廊下のフローリング工事が終わりました。
檀渓心理相談室が開室されたのは今から約30年前の平成初期、その頃から廊下は絨毯敷きでした。当時はそれも珍しくなかったのかもしれませんが、今ではなんとなく昭和の雰囲気も感じさせる内装で、「レトロ」といえば聞こえはいいですが、汚れは目立ちますし何より掃除がしにくく、相談室を引き継いだ時からいつかフローリングに替えたいと思っていました。
相談室の引継ぎはゼロからの立ち上げとは異なり、すでに面接室はそこにあり、中にはテーブルも椅子も箱庭などもすべて揃っています。しかし、実際に引き継いでみると、だからと言って後はカウンセリングの仕事をするだけという訳にもいかない、ということが分かってきました。檀渓心理相談室の室長です、とためらわずに言い、面接室の椅子に安定して座り続けるためには、すでにあるものと自分とをすり合わせていくこと、それらを借り物でなく自分のものにしていくことが必要です。部屋を片付け整理をして何があるかをきちんと把握し、不要なものは思い切って処分したり古いものを新しく変えたり、そんな作業をゆっくりと続けることで、すでにあった相談室と自分とが少しずつ歩み寄っていったような感じがしています。
相談室を引き継いでから5年たち、やっと気になっていた床を変えることができました。だいぶ時間がかかりましたが、それでも変化はやはりゆっくりで良かった、ゆっくりだからこそ無理なく歩み寄れたような気がしています。変わるということは、それがささいなことでも大きなエネルギーを使うことで、無理な変化は調和やバランスではなく違和感を引き起こすと思います。
狭い廊下ですが、床が変わっただけで雰囲気が明るくなりました。箱庭のアイテムやプレイセラピー用のおもちゃなど、この相談室には昔からある古いものが多いですが、そういった古いものにも強い愛着があり、誇りにも思っていますが、この相談室がより居心地の良い場所になるよう、新しくすべきところは新しくしていきたいとも思っています。
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