あるテーマについて講演を頼まれ、先日何とかその仕事を終えた。50人弱の人の前で40分程度、講演としては小規模なものだが、はっきりいってこういうのはとても苦手だ。ふだん人の前で話をすることがないので、たくさんの人がいるだけでとても緊張する。以前、スクールカウンセラーとして学校で仕事をしていたことがあるが、先生という存在に身近に接し、彼らがたくさんの生徒の前で話をしていることにびっくりした。先生をしている人には当たり前のことかもしれないが、ある程度の時間、ずっと人前で話し続けるのはパワーがいることではないだろうか。いつも一対一で相手の話を聞くことを仕事にしている自分にとっては、ものすごく大変なことに思える。
今回は話をした後に少し長めの質疑応答の時間があり、こちらはわりとリラックスして話をすることができた。やはり職業柄だと思うが、一方的に話をするのはどうにも苦手、しかし対話、やり取りがあると格段にやりやすくなる。カウンセリングは決められた台本があるわけでもなく、2人の人間がその場で実際に会って話をすることで創り上げていくものだ。相手が話したことを聞いてあれこれ考えそれを伝えるのが日々の仕事で、私一人で話を進めるよりも、質問に答え、必要に応じてその場で相手とやり取りをする方が慣れている。
経験が浅いうちは、講演を頼まれた時(スクールカウンセラーなど、学校に関わる仕事していると、若い時から人前で話す仕事を頼まれることは多い)に、こういう質疑応答の時間はかなり汗をかいて必死にこなしていたが、ある程度の経験を積んでくると、かえってこういう時間を楽しめるようになってきた。相手の話を聞いてその場で湧きあがってくる何か、その場だからこそ生じる何かがあり、相手との実際のやり取りから生まれてくる何かがある。そこが面白い。
カウンセリングもそうだが、何が出てくるかは分からない、しかしそれこが出会いの面白さだと思う。
