最近、甘酒にはまっている。知人から自宅で作ったという甘酒をいただいたのがきっかけだ。あまりにおいしくて、私も作ってみたいと思った。これまでに炊飯器を利用して甘酒を作ったことはあるが、ヨーグルトメーカーを使えば温度管理も容易ではるかに簡単に作ることができると知り、早速購入して作り始めた。ご飯と麹を混ぜたものを夜にセットしておけば、朝には出来上がっている。もともと甘いものが好きなこともあり、今ではご飯代わりに毎日甘酒を飲んでいる。
ひょっとしたら私の周りだけのことかも知れないが、同じ心理の仕事をしている人が集まると、食べ物の話題か多くなるような気がする。別に皆がグルメというわけではなく、おいしいレストランはどこかというような話をしているのではない。例えば自宅で甘酒を作っているとか、もらった果物をジャムにしてみたとか、毎年つくる漬物の話とか、そんな内容の話だ。食べることについて自然で無理のない好奇心があり、それがストレートに出てくるからこその話題だと思う。
前室長の西村洲衞男先生は、良い臨床心理士になるには「おいしいものを食べて、良い恋愛をして、たくさん遊ぶことが必要」と、冗談交じりに言っていたが、要は生を肯定し楽しむことが必要だということなのだろう。
自宅で作った甘酒は、気のせいか市販のものよりはるかにおいしく感じる。ご飯と麹だけでこんなに甘味が出るものなのかと、口にするたびに驚き、小さな幸せさえも感じるほどだ。甘酒は飲む点滴とも言われるぐらい体に良いものだとされているが、たった一杯の甘酒でなんとなく満たされた感じにもなり、こころの栄養にもなっているようだ。