がんは甘えることの下手な真面目人間が頑固に頑張り精神的な疲れを通り越して細胞レベルで退行したとき低級な細胞まで対抗したとき起こる病であると思っていて、自分のように怠け者で甘えん坊な性格の者は罹患しないものと考えていた。ところが自分ががんになって、振り返ってみると、いつの間にか酷い真面目人間になり頑固者になっていたことに気づいた。もう10年位心理臨床学会で事例報告を続けているし、ついには自分までも事例にして人生を振り返った。心理臨床家としてやりすぎである。しかし、長い心理臨床経験を積んで学会で発表する事例も持たない人とは何と不甲斐ないと思っていた。しかし、それが普通であり、自分がやりすぎなのだった。やりすぎて疲労困憊し、細胞レベルで退行しがんになったのだ。がん細胞は色々レベルがあるらしいが、普通は低級な細胞だから免疫機能で排出されるものだが、その免疫機能まで働かなくなり、低級ながん細胞が増殖するそれががんである。
自分は今真面目人間である。一眠りして目覚め、目覚めたらいろいろ思い浮かぶことがあるからそれをパソコンでこうして書かないと次の眠りに入れない程になった。朝まで貯めておくことが出来ない。師匠河合隼雄先生は色々書くことを頭の中にため込んで、翌朝書くことが出来た。私は書いて整理しないと眠れないのである。困った性格である。これを治さないと私はがんから解放されないのではないかと憂鬱になった。