自分で作る生き方

暮れに仕込んだかぶら寿司が熟れてきてやっと食べごろになった。大みそかに味見をした時には塩辛さが目立ったが、本漬けをして10日経ったらやっとかぶら寿司らしくなった。

我が家では寒くなって大きなかぶが店頭に出ると家内が作っていた。最近は娘が作っている。最初は家内の小松出身の叔母が教えてくれた。頂いたものが余りに美味しかったので我が家でも作ろうということになって作り始めた。その伯母の23回忌が今年あったのでもう四半世紀は経っている。きちんとしたレシピはなく毎年目分量でやっているから毎年出来不出来がる。でも、季節になって作るのが楽しい。

私は貧しい農家で育った。だから、大学を卒業するまでお店で食べたことがない。食べるものは自分で作ることになっている。今もお昼を自分で作って食べることが多い。独りでゆっくり食べる。近くに美味しいお店はあるけれど普段そこまで行くのが面倒くさい。インド人が作ったインド料理はおいしい。まこと屋のみそ味はうまい。山中のわらび餅は最高だ。でも、普段のお昼は自分で作って食べる。これは農家育ちの私の根性らしい。

私はこういう性格だから心理療法の技術も自分に合うように作ったのではないだろうかと思い始めた。フロイトやユングの方法を使うのは出来合いの方法を使うようなものではないか。それを自分に合うようにするにはとてつもない努力がいる。仲間で話し合いながら切磋琢磨して経験から作り上げえていくものではないか。結局は出来合いのものを使いながら自分のものを作らないといけない。先生に教えられ仲間に習いながら自分で作って生きて行くことが大切ではなかろうか。