仕事と研究のバランス

このところさっぱり書けなくなって、ブログのエッセイが間延びになっているというメールを頂いた。自分も気になっていた。面白いことがたくさんあったが、それを書くには至らなかった。昨年の後半から次第に仕事が増加し、今月はついに限界を超えてしまったようである。人だけでなく猫もなついてきて、撫ぜてやったり抱いてやったりしてやらねばならなくなった。今もコタツに入ってゴロゴロ言う猫を抱いてパソコンに向かっている。ウルサイけれど仕方がない。

河合隼雄先生も本を書くと心理療法はできないと言っておられた。フロイトはユングに心理療法に向かうよりも論文を書けと書翰に書いていたので、フロイトは分析よりも本を書くことが主になっていたと思う。私は今のところ本を書くよりも心理療法に向かっているので、エッセイのほうが疎かになってしまう。

OM先生は年間2000回も面接しているということだったが、いつも面接中瞑想して自分に集中しているので研究ができるのであろう。OM先生は自分のやり方について仏教的な表現で、治療的な関係を通底、つまり、こころの深層で通じ合うと考えられ、ご自身の心理療法を確立され今もそれを実践されていると思う。

私もこの春休暇の後、金岡秀友著『般若心経』を読んで自分の心理療法に至ったと思った。

私が『般若心経』によって得た心理療法の原理は、自分の心を清らかにすること、そして救いは真実を知ることにあるという2点だけである。そして、自分の場合、清らかな心のプロセスは夢や箱庭によってしかわからないということである。

日頃の面接の中でそういう考えに至ったが、これを人にわかるように文章化しようとすると面接が疎かになってしまうだろう。これからは面接数を抑えながら、できるだけ時間を作って自分の考えを文章化して残しておきたいと思う。今私の心理療法は、時代の流れと全く違うので注目されることはないけれど、書き残しておくと後々誰かの役に立つのではないかと思う。

仕事とそれを省みる時間のバランス、より良い人生を送るためにバランスを取っていきたい。