発達障害の子どもの箱庭療法

これまで親子箱庭療法を行なってきたが、それは親子が別々に箱庭を作るものであった。そこに大住誠先生から提案があって、「親子で一つの箱庭を作らせると良いという提案があった。それこそ親子箱庭療法で、親子別々に行う私のやり方と全く違う。考えてみると十分検討に値するやり方である。

大住誠先生のやり方は次のようである。

1 対象は思春期以下の発達障害の子ども
2 親はいわゆる森田氏神経質の、強迫的な考えの悪循環に陥っている人
3 一つの箱庭を親子で共同して制作させる

これを大住先生は大体2週間おきに実施している。そのうちに親子でまとまった世界ができて、それが出来上がると子どもが治っているという。ケースを送ってくる小児科医がこのやり方を評価してくれている。

この親子共同箱庭療法を実施している時、大住先生は後ろを向いて瞑想していて記録するのは内容は自分の連想内容だけである。

以上のやり方を瞑想に集中できない私が実施するのは難しい。しかし、親子共同して一つの箱庭を作るというやり方は行なっても良いのではないかと考えて、早速中学生の不登校の女子に親子共同箱庭を実施したところ、面白いものが出来上がった。母親と娘が理解し合うのに何か考えのヒントが言葉以外に出てくるのは良いことではないかと思った。出来ればダンケで機会があれば実施してみたいと思う。
これまで箱庭療法は自分の世界を作るものだから、親子でも一人ひとり実施するものだと思っていたけれど、親子の相互理解に役に立つかもしれない。これから研究を重ねていかねばならないテーマである。

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