心理療法における教育ー自分に向き合う

 (20111111を記念してこの文書を書きはじめ、第2段落まで書き中断して1週間も経ってしまった。忙しくなり手がつかなかった。やっと片づけなければと思って第3段落から書き足しました)

 この前テレビを見ていたら古武道の先生が、先生に教えられたことを守っていると見えないところが出てくると言っていた。いろいろな技を習うのだが、習ったことに従っているとそれ以外のところが見えなくて、自らの進歩がないと。

 このことはまさに私たちの心理療法にも当てはまると思った。私ははじめロジャーズの心理療法を学んだが、面接がうまく進まないのはロジャーズの教えの理解が不十分だからだと思っていた。今でも如何に共感すべきか、如何に受容すべきかと悩んでいるカウンセラーがあるのではないか。そういう人はカウンセリングの理論にはまってそれ以外のことがみえなくなっていると思う。理論に照らして自分の経験を省み、やり方を修正していくのは良いのだが、それ以上の成長はない。方々のセミナーに参加して話を聞いて講師のやり方を取り入れるのは、自分の目で経験を省みているのではない。全くセミナーにも参加しないよりは良い。

 心理療法では、自分の仕事を評価し問題点に自分で気づき、大切なものを自ら見出していくことが大切だと思う。自分の仕事を評価してある程度満足し、問題点を考えながら、次の仕事に取り組んでいくこと、それがしっかりした職人の技ではないか。それは先生の教えに従うというよりも自分の経験に教えられるということだと思う。

経験から学ぶには自分に向き合う必要がある。自分に向き合うためにカウンセラーは教育分析を受けることが絶対必要だと最近確信するようになった。教育分析を受けていないといろいろな本を読んだりセミナーに出て先輩の意見を聞いたりして考えを学ぶことに専念する。それは頭で考える勉強で、自分に向き合うこととは違う。

 自分に向き合い、深く向き合うほど相手の深層にかかわり、表現されたものに対しても読みが深くなる。表現されたものの背後に広がる意味を掴む力、それが心をつかむ力だと思う。