おばあちゃん育ちの男の子

 昔も今もおばあちゃん育ちの男の子があり、子どもの相談にはある割合を占めている。最近は、このおばあちゃん育ちの男の子があまり注目されていない。おばあちゃん育ちが多くなったのか、少なくなったのかそれもわからない。一方で保育園育ちの子が大変多くなっているはずである。

 昔は、生みの親が子どもを育てていた。昔は大家族主義だったのでみんなで子どもを育てていたのだが、育ての中心は実母であることが原則だったのではないか。大家族の中でもおばあちゃんが孫を取り込んで可愛がっていると、その子どもはおばあちゃん子になった。おばあちゃん子(男の子)は大きくなってもいかにも子どもこどもして甘えん坊で社会性が無く、無口で、覇気が無かった。

 おばあちゃん育ちの人は今も少なくない。おばあちゃんに育てられた男性の性格が最近変わってきているのではないかと思う。最近会った思春期の男性は全く子どもこどもしたところが無い。背筋をしゃんと伸ばし、いかにも大人的である。厳しい教員が嫌で学校に行けない。がさつな男たちもうるさくて嫌だ。うつ病の指標である消化器系の機能低下は顕著で、うつ病的である。

 周囲に配慮し、責任感があり、行儀の良いうつ病的親和的な性格が思春期に出来上がっている。そして消化器系の口や胃や腸が機能低下している。甘えん坊ではなく、おばあちゃんを困らせないように一所懸命真面目に大人の期待に添うように育ってきた人である。そして思春期に達して性欲も感じないほどに動物的な衝動を抑圧してしまっているのに驚く。こういう人はセックスしたくて結婚するのではなく、結婚しなければならないから結婚するのである。20代の結婚の要因として生物として性的な要求が重要であるはずだが、それが二の次になっているのが現代の若者である。

 真面目に社会の期待に添って生きる、やるべきことを言ってください、やるべきことをやります、自分では何をして良いかわかりませんというのが現在の若い男性の一部にある。

 

 現代は子どものときからうつ病的な人が育つ時代である。