晴耕雨読

 この前朝のテレビで最近の高齢者の生活を紹介していた。

 定年退職し、山村に移り住み晴耕雨読の生活を楽しんでいる方があった。夫婦共にという方もあれば旦那さんだけという人もある。

 男は仕事を離れたら俗世間を離れて仙人になりたいのだ。それに対して女の人は街にとどまって文化センターに通い習い事をし、みんなで楽しむのが幸せだ。奥さんは週に一回山村の夫のところに通い週末婚を楽しむ。これが理想的な生活である。

 私の先生、笠原嘉先生は京都にご自宅があるのだが、いつもは名古屋にお住まいである。そこはデパートも近くて、病院も近い。地下鉄もバスも年間5千円で済む。とても生活しやすいところである。先生は週三回、私の檀渓心理相談室の近くのクリニックで診療される。保険診療だから一日に30人は診なければならない。(大分前のことだが開業する先生が、一日25人患者が来れば経営が成り立つといわれた。そこからの推測である。)8時間勤務として480分、1人15分の診療である。薬だけの人もあるから、50分の面接もでき、充実した診療が可能である。これがいわば晴耕雨読の晴耕の生活である。雨読の生活はアパートでの読書である。アパートだから一人になって隠れるところが無いからいかんと先生はおっしゃった。仙人というのは誰にも見られることも無く1人で静かなのがいいのだ。先生は街中で晴耕雨読の生活である。

 私もダンケで一日一人か二人の面接をし、家ではこうしてワープロの前に座ることもある毎日である。教員を早く辞めてこんな生活をすべきであったと思う。面接も読書も今までに無く面白い。

 

 鉄道模型に凝って自宅にジオラマを造って楽しむ人もある。私はこれから自分の臨床心理学を作って、そのなかに籠もりたいと思う。