身体の健康に関することだと、多くの場合は早めの受診が勧められる。ひどくなる前、症状が軽いうちに手当てをした方が治療しやすい。早めの改善も期待できる。何より本人もその方がはるかに楽だ。
心理相談室、カウンセリングルームのような問題に関しても、おそらく早めに来てもらった方が楽に済むことが多いのだと思う。悩みが軽く余裕があるうち、問題が複雑になって深刻な状態に陥る前に今の状況、これまでのことを見直して、今後どうしたらいいのかを考えた方が楽だ。
しかしだからと言っていついかなる場合も早ければいい、とは言い切れない気がする。問題が大きくなって、ひとりの問題では済まなくなり、多くの人が関わらざるを得ない状況になったからこそ、根本的なところから変わるきっかけとなった、ということもある。早くに手を打っておけばやっかいなことにはならなかったのかもしれない。しかし、やっかいなことになったからこそ、皆が真剣に、他人事ではなく自分の問題としても考えるようになる。そういう動きが出てくることにこそ意味があったのではないか思うケースもある。
ひとつひとつの悩みや問題は、それだけで独立してあるものではない。さまざまな事情や物事の流れ、いろいろな人の思いが絡み合い、その動きの中から浮かび上がってくるものだ。表に現われることはほんの一部だけである。そしてその問題についていつどのように取り組むのか、それぞれに異なる。早いほうが楽かもしれないが、楽な方がいいとも限らない。カウンセリングに行ってみようと思った時が、ひとつのタイミングなのかもしれない。
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