· 

良いものを何度でも

 お盆休みを終えて通常モードに戻りました。

 お盆の前に連休もあり、今年はいつもより休みが多く感じられました。とにかく暑く、外に出るのもおっくうで外出は最低限、家にいるとあれこれとやることはありますが、それでも要約して言えば、本を読んで時間が来たらご飯を作って食べる、ただその繰り返し、という単純な毎日でした。

 この休みは新しい本は何も読まず、手持ちの本を読み返していました。すべて以前に読んだことがある本ですが、初めて読んだと言ってもいいぐらいの新鮮さがありました。

 気に入った小説やエッセイの中には内容や文章を覚えてしまうほど繰り返し読むものがありますが、心理学やその近くの領域の本だとあれもこれもと欲張る、というか、臨床心理士として仕事をするための義務のようにも感じて、読むべきだと言われるものをたくさん読まなくてはと思ってしまいます。しかし、この休みで手持ちの本をじっくりと読み返してみると、おそらく以前、もっと若かった頃にはきっと理解できなかっただろうなと思うような内容も多く、同じ本を繰り返し読むことの良さを実感しました。同じ本でも年齢やタイミングによって注目するところが異なり、感じることも変わってきます。たくさん読まなくても良い本を繰り返し読むことも悪くない、と感じました。

 すでにいくつか、もう一度読み直してみたいと思っている本があります。改めて読み返した時に、今の自分がどう感じるか、少し楽しみです。

 

 

〈次へ  前へ〉