先日、このHPでも案内を掲載した、東京の矯正協会開催の箱庭の研修会に行ってきました。
この研修会に呼んでいただくのは今年で3年目ですが、いつも参加者の熱心な態度が印象的で、それに応えようとこちらも準備に力が入ります。今回は、自分がこれまでの経験から培ってきた箱庭についての考えを話してきました。教科書的な内容ではなく、自分の言葉で自分の考えを話そうと心掛け、それがどのように受け入れられるか多少不安もありましたが、参加してくれた皆さんに喜んでいただけたようでほっとしています。
今回、自分の考えを話してみようと思ったのは、4月に作った箱庭がきっかけです。相談室内の研修として、定期的にスタッフ全員が箱庭を作り、お互いコメントをする、ということを時々やっています。今年4月にもスタッフと一緒に箱庭を作りましたが、その時の自分の箱庭から、昔、学生の時に自分が初めて作った箱庭を思い出しました。今と昔の2つの箱庭を比べることで自分自身についてあれこれ考えたのです。昔から人前で話をすることは好きではなく、面倒がって避けてきました。今でもそういうことはとても緊張するのでとても好きにはなれないですが、しかしこの仕事を30年近く続けてきた今、自分の考えをきちんと言葉にすることも大事なことではないかと思いはじめたのです。
今回の会では、こんなふうにもっと自分の考えを話そうと思い立った経緯を踏まえ、まずは冒頭で自分の箱庭、学生時代に作ったものを再現したものと、4月に相談室で作ったもの2つの写真を見せてから話を始めました。
きちんと自分の考えを話すと、それに対する反応も得られます。そしてその相互作用によって新たに生まれる何かがあるように思います。カウンセリングも同じ、一方通行のものではなく、人が会い、話し合うことによって生じる相互作用があり、そこから何かが生まれるのだと思っています。
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