そろそろ時期だ

長谷川泰子

 

 コロナの扱いがもうすぐ変わるのだそうだ。マスク生活もずいぶん長くなり、どうせずっとマスクだからと化粧もしない(眉を描き足すだけ)生活だったけれど、また化粧をするようになるのだろうか。ずいぶん長いあいだ手間をかけずに楽をしてきたので、今からまた毎朝化粧をする生活が想像できないが、やり始めれば案外すぐに慣れてしまうものなのかもしれない。

 今までやりたいことが全くできなかったわけではない。檀渓心理相談室ではカウンセリングは対面で変わることなく続けたし、セミナーも人数制限などしながらではあったものの開催してきた。でも人がたくさん集まるようなことはできなかったし、遠くに出かけるようなことも控えていた。

 私が相談室を引き継いだときは、ワクチンやコロナの治療薬もまだなく、緊急事態宣言などが出されているような状況で、いろいろな活動が大いに制限されていた時だった。でも今から思うと、じっとしていなければならなかったのは当時の自分にとってはありがたかったかもしれない。カウンセリングの仕事はもう25年以上続けているし、それなりに勉強もして経験も積んできたが、そういった臨床心理士としての仕事と、相談室の室長の仕事はまた別である。長く続いている相談室の看板を背負うには強い主体性と柔軟性が必要になる。今振り返ると、いろいろと制限がある生活の中で、じっとしながら室長になるという課題と取っ組み合い続けていたようにも思う。

 

 春からコロナの扱いが変わるという。控えてきたこと、やりたくてもやれなかったことに手をつける時が近づいてきている。まずはあれとこれ、そしてあのことも。次の一歩を考えている。

 

 

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