思わぬつながり

長谷川泰子

 

 今年も残すところあと数日となりました。

 なるべく毎週ここに文章を書こうとひそかな目標をもって一年やってきましたが、なんとかそれが達成できそうでちょっとほっとしています。

 この相談室を引き継ぐことになり、前室長の西村洲衛男先生がやっていたようにホームページに文章を書くことも引き継ぐことになりました。急なことではあったものの、なんとかやってこられたのは、20年ぐらい前の経験のおかげだと思っています。 

 当時していた仕事で、月に一度、カウンセラーとしてちょっとした文章・読み物を書くことを求められました。初めての経験で、何を書いていのやらさっぱり分からないながらも、せっかく書くなら自分の言葉で自分の考えたことをと、毎月、四苦八苦しながら書いていました。10年近く続けた仕事だったので100回ぐらいはカウンセラーとしてものを書くトレーニングをしたことになります。その仕事を終えた時は、文章を書く義務(一応、締め切りのようなものもありました)から解放されてほっとしましたが、あの時のあの体験が今ここにつながってきていると思うと、やっておいてよかった、あの仕事があってよかった、とその時とは別の意味でまたほっとするような思いがあります。ものごとは思わぬところで思わぬつながり方をするものです。

 今体験していることも、この先どこにつながっていくのか分かりません。今はマイナスに見えていることも、この先に意外な発展があるかもしれない、そんなふうに考えて今を過ごせていけたら、とも思います。

 

 今年一年ありがとうございました。来年もまたよろしくお願いいたします。

 

 

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