福島で思ったこと

 先週末福島に行ってきた。子育て中の人が年長さんの子どもが夜中寝とぼけるのですと心配な様子でもらされた。

 寝とぼけは寝言のちょっと強いもので行動を伴うことがあり、幼児から小学校低学年の子どもたちに良くみられる。大抵は風邪をひいて外に出られず遊びが思う存分にできないときに昼間できないことを夜夢の中でやるのである。

 昼間十分に活動できないことが何かありますかというと、放射能のために園庭で遊べないということだった。園庭には放射能があるから子どもたちは園舎の中で遊ぶことになり今までの通り十分に気持ちの発散ができない、その分子どもたちは夜中に活動し、寝とぼけるのである。放射能の被害はこのような形でも出ていることに改めて驚いた。この被害は東電の補償外であろう。

 新聞を見ると時々各地の放射能の値が出ていて、福島が一番高い。

 この放射能は今も原発から飛んでくると思っていたらそうではなく、水蒸気爆発の時飛散した放射能が風に流され広い範囲に散らばって残っているである。アスファルトやコンクリートで覆われた街中はほとんど流れ去ったが露地や草原や林にはそのまま残っているのである。景色のよい河原でしばしのんびりすると放射能にやられる。住みにくいところになったものである。福島の人々はそれでも自分の住み慣れた土地に変わりなく元気に明るく暮らしていた。居酒屋はどこも活気があった。

 しかし、大学の人は来年学生が集まらないのではないかと心配していた。東電はお金による補償の前に人が住みたくなる環境を取り戻す策を講じてほしいと思う。

 

<次へ                                   前へ>