座禅の経験

今度サンフランシスコに行って初めて座禅の経験をした。

これまで座禅の本も読み、座布団も買い求めて自分なりに半跏で坐ったことがあった。今回はたったの3回であるが、慈光寺の人たちと朝6時から40分坐る経験をした。

ここは朝5時半(サマータイムなので日本時間4時半)に当番の人が鐘を打つ、45分に盤木が鳴り、50分頃から1分ごとに鳴る。鳴らし方は人それぞれに違っていておもしろい。50分頃から人が集まり、各々好きなところで本堂の壁に向かって坐る。その日の担当者も坐り警策を持った人はいない。坐るのは自己責任である。初めは足が痛く何度も坐りなおした。坐りなおすと気分は乱れる。自分なりに坐り方が決まってじっとしているのが良い。

これで腹式呼吸が身について、ロサンゼルスに向かうドライブでも、次郎さんが運転する車の助手席で腹式呼吸をするようにしていた。

慈光寺での3回のみんなで行う座禅は私に何か不思議な変化をもたらした。座禅は一人でできるようなものだが、みんなでする座禅は何か違う。生活を共にしているという感覚、その安心感と充実、生きる力の源泉となって行くのではなかろうか。座禅の後のお掃除と食事もそれぞれに好きなものを食べて気楽な雰囲気で、今日一日の心の平安の元になるのではないかと思った。日本の曹洞宗の凛とした雰囲気とは全く違うおおらかさがあるように思った。

次はこの慈光寺の座禅をもっと経験するために行きたいと思っているところである。

 

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