最近の恋愛事情から考えた男性の問題

 最近の驚きは、先ごろNHKで放送されたフランスのJapan Expoのcool Japan(すばらしい日本)で紹介されたフランスのマンガブーム、そしてフランスの女性がうらやましいという日本の女性のファッションの自由さである。マンガブームは少し知っていたが、フランスの女性が日本の女性の自由なファッションがうらやましいというのが驚きであった。フランスは自由の国というが、ファッションは自由ではない。どこに行くにもその場にふさわしい服装を考えなければならないという。

 そういうところから考えると、私の大学のキャンパスは服装の自由を満喫している女性で一杯だ。フランス人に言われなくとも、今年のファッションは驚きであった。来年は定年で辞めるため、さらに進化し新しくなる女子学生のファッションを見られないのは少々残念である。

 

 このファッションと共に変化しているのは、女性たちが経験している恋愛関係である。

 何年も前のことだが、ある女性は、友達みんながボーイフレンドを持っているので自分もないと寂しいと。そこである男性と親しくなって関係を持つようになったけれども、彼は人の悪いところを言い、大学の授業にもすごく不満を言っていた。自分は強いぞ、何にも負けないと強がりを言っているように見えた。そういう彼と結婚することは今のままでは到底ないと思うけれども、他にボーイフレンドはないので関係を続けている。別れた方が良いだろうかという相談があった。早く別れると、心に空席ができて早く次の彼ができるのではないかと助言した。けれども、しばらく変化が無かった。いよいよ苦しくなったので、意を決して彼に別れたいと持ち出したら、彼は途端に落ち込んで夜も眠れず、食事も喉を通らなくなってしまったという。丁度期末試験の前だったので、試験をミスさせてはいけないと思って関係を戻した。彼は強がらず、悪口も減っておとなしくなった。でも好きという気持ちは出てこない。彼女は卒業までこの関係を維持したようだが、その後はわからない。私の驚きは、ボーイフレンドがいないのは寂しいから、とりあえず嫌いな人でも付き合っておくという態度である。この付き合いの中には体の関係も含まれているのである。

 

 最近の女性の男性と付き合っているという関係は性的な関係も含んでいる。恋愛関係というとアツアツの関係を連想するが、この付き合っているという関係ではそのアツアツの情熱が無く、何となくさめているのである。付き合ったまま何年も経過している関係もあるようだ。

 

 このように変化した男女関係の現在でも、女性は男性から結婚して欲しいと言ってもらいたいという気持ちは変わらない。付き合っているのに、男性は中々結婚しようといってくれないので、現代の女性はさぞかし寂しいだろうと思う。

 付き合っていて、すでに性的な関係があるのだから、女性からいつ結婚してくれますかと聞いても良いのではないかと私は助言する。このような私とこのような問題を話し合っていると、女性は次第に結婚話を彼に持ち出すようだ。

 それに対する男性の答えは、女性にとってあまりうれしくない。ボクはもう少し一人の生活を楽しみたい。ボクは今仕事がとても忙しいから、結婚しても家庭生活がうまくできない。ボクは君を本当に幸せにする自信が今はない、もう少し自信がついてから。君が結婚して欲しいなら結婚すると、言うのである。

 これに対して女性も、私にどうしたら良いですかと聞いてくる。私は驚くばかりで答えに窮してしまう。若い人は何と答えるのでろうか。

 

 女性たちから聞こえてくる男性たちの言葉に私は驚く。未知への可能性への挑戦、危険な状況へ飛び込む勇気、いのちを賭ける責任感といった男性的なものが掻き消えている。国定忠治も高倉健も寅さんも消えた現在、小泉首相や松井秀樹など猪突猛進の優秀な男性像は出てきたが、すばらしいと喝采するものの、悪の影は無く、女性を惹きつけられる男性像ではないのではなかろうか。

 今必要なのは権威や力のある父親像では無く、これからはどんな困難が出てくるか予想のつかない社会になので、予測困難な可能性に立ち向かう勇気やファイトを持ち、何はともあれ共に生きていこうというやさしさを持った男性像ではなかろうか。

 

 勇気、ファイト、共に生きていこうというやさしさ、それは何も一流にならなくてももてるものではないか。今は競争社会でイチロウや松井やディープインパクトなど一番が注目され、2番目からはからきしだめである。しかし、勇気とやさしさを持った男性は、2番目や3番目、あるいはビリにこそいるかもしれないのである。落ちこぼれの蛮勇に期待したい。