うつ病は治さない方が良いのではないか

 

 私たちは病気になると治そうとする。病気には早急に治療しなければならない病気と治さない方が良い病気があるのではないか、それを薄々感じ始めたのはずっと以前のことだが、はっきりと治さない方が良いのではないかと意識したのは最近のことである。

 きっかけはソンディ・テストのテスト結果を解釈し始めてからである。

 ソンディ・テストは精神病の人の顔写真を見て好き嫌いを判別するテストで、いわば人相の好き嫌いから性格を判断するテストである。

 このテストで本当にうつ的な人はうつ病の人の顔を嫌いとする。うつ病の人の顔を好きと選ぶとそれは自分を拡大し世界に広げていく傾向を示すのである。反対に嫌いと選ぶ人は自分に拘り変化を求めず、自分の世界にこもってしまうのである。

 人が成長し発展するためにはうつ的なものを好ましく感じる必要があるのである。

 うつ病を病気だとして排除すると却って自分の内部の発展性を抑えてしまう結果になるのではなかろうか。うつ的なものを治して排除するよりも、うつ的状態を好ましく思うことが本当に治ることにつながるのではなかろうか。

 今抗うつ薬を投与されてずっと飲み続けている人は少なくないのではないか。その人たちは抗うつ薬でうつ状態を自分の内部から排除しようとしているから本当に治ることができないのではないかと思い始めた。

 では、どうするかというと、今、うつ病の治療で勧められている抗うつ薬の服用と長期にわたる休暇の代わりに、自分の内部のうつ状態を認め、うつ状態を自分にとって好ましいと感じるようにすることが大切なのではなかろうか。そうするとうつ状態から新しい発展が生じるのではないかと期待する。

 うつ病の治療に用いられている休職を、うつ状態を好ましいと評価する方へ導くことが大切だと思う。以前も長期休暇を受け入れた人はうつ病が治った。その理由はうつ状態を好ましいものとして受け入れたことにあったのではなかろうか。